keyaki-a1.gif成年後見制度とは


 

 精神上の障がいにより判断能力が不十分だと、自分に不利益な内容の契約であっても、その判断ができずに契約を締結してしまうおそれがあります。成年後見制度は、そうした方について法律行為にかかる意思決定を代行・支援することで、本人の不十分な判断能力を補い、その権利が守られるようにする制度です。
 しかし、成年後見制度は、自己決定権の尊重も同時に理念として掲げていることから、本人の判断能力の程度によって次の三つの類型を設けて、本人に残された能力の活用を図っています。
 申立てをする際には、いずれの類型に該当するかを判断するために医師の診断書を入手して、ふさわしい類型の申立てをする必要があります。


<補助>

 補助は、大体のことは自分で判断できるものの、難しい法律行為については援助をしてもらわなければできない方を対象とします。
 補助人には、家庭裁判所に補助開始の審判の申立てとは別に、援助が必要であるとして申し立てられた法律行為に限定して、本人に代わって行為をしたり(代理権)、本人が自分で行為を行うのに同意を与えたり(同意権)、同意が必要であるのに同意なしでなされた本人の行為を取り消す権限(取消権)が与えられます。


<保佐>

 保佐は、簡単なことなら自分で判断できるものの、重要な行為であるとして法律で定められている行為については援助してもらわないとできない人を対象とします。
 保佐人には、法律で定められた行為については当然に、また、それ以外の行為でも別途申立てをして付け加えることで、本人が自分で行為を行うのに同意を与えたり(同意権)、同意が必要であるのに同意なしになされた行為を取り消すことができます(取消権)。
 また、保佐人には当然に代理権があるわけではありませんが、必要があれば別に申し立てることで代理権を与えることができます。


<成年後見>

 成年後見は、大体常に自分で判断して法律行為をすることはできない人を対象とします。
 成年後見人には、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いた広範な代理権と取消権が与えられます。

 

 

 申立てに際しては、通常、次のものが必要になります。

    • 申立手数料                       審判事項1個につき 800円
    例)「保佐開始の申立て」+「代理権付与の申立て」なら 1,600円
    • 郵便切手                           3,000〜5,000円
    • 成年後見登記の登記費用        2,600円
    • 鑑定費用(後見・保佐の場合)    5〜10万円程度
    • 本人の戸籍謄本・住民票(又は戸籍の附票)
    • 本人の成年後記等の登記がされていないことの証明書
    • 候補者の住民票(又は戸籍の附票)
    • 診断書
    (あれば)
    • 不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書
    • 通帳写し・残高証明書 など

 

keyaki-a1.gif成年後見よくある質問


  Q. 申立費用は誰が負担すべきですか。
  A. 原則として、申立人が負担します。
     
  Q. 申立類型と鑑定結果が異なる場合はどうなりますか。
  A. 申立ての趣旨の変更の手続きを取ります(例:「本人について後見を開始するとの審判を求める。」→「本人について保佐を開始するとの審判を求める。」)。申立人が趣旨を変更しない場合、原則、申立却下となります。
     
  Q. 成年後見等の開始によるデメリットはありますか。
  A. 成年被後見人には、選挙権・被選挙権がありません。また、成年被後見人及び被保佐人には、資格制限があります。
     
  Q. 親族に内緒で成年被後見人等を選任してもらうことはできますか。
  A. 申立後に調査官が調査を行い、その結果は調査報告書にまとめられて審判官の判断の資料とされます。さいたま家裁では、申立人・候補者及び本人に対して面接を行うほか、親族に対しても、書面等により申立ての概要及び候補者名を伝え、これらに関する意向を確認しています。
     
  Q. 成年後見人等は報酬を受け取れますか。
  A. 弁護士や司法書士のような専門家が就任した場合は、裁判所に対して申立てをすることにより報酬が付与されますが、親族が就任しているケースで報酬が付与されているケースが非常に少ないという実情があります。

 

 

参考文献:「相談事例から見た 成年後見の実務と手続」
       井上計雄 編/新日本法規 発行