keyaki-a1.gif震災と登記


   東日本大震災の発生から3ヶ月が過ぎ、復興に向けて様々な措置が打ち出されています。今回は、その中から登記業務に関連する主な措置について取り上げます。
    (1) 震災に伴う商業・法人登記の申請書の添付書面の印鑑につき市区町村長の作成した印鑑証明書を添付することができない場合の取扱い(通達)
(平成23年5月2日付法務省民商第1105号)
       商業・法人登記の申請内容によっては、その登記申請書に、印鑑登録した印鑑を押印した書面(例:取締役の就任承諾書)及び市区町村長の作成した印鑑証明書の添付が求められる場合があります。しかし、今回の震災により、市区町村に印鑑登録をすることができず、又は市区町村長から印鑑証明書の交付を受けることができないといった状況にあることを考慮し、登記所は次のようなときに申請を受理して差し支えない、とする取扱いがなされています。
     <方法1>
      @ 押印が必要な書面に、印鑑証明書により証すべき印鑑で押印します。
      A 上記@の書面について、公証人又はこれに準ずる者の認証を受けます。
      B 押印した本人が以下の内容を記載した上申書を作成し、上記@の書面に押印したのと同じ印鑑で押印して、登記申請書に添付します。
        震災により市区町村長に印鑑登録をできず、又は市区町村長からその作成にかかる印鑑証明書の交付を受けることができないこと
        市区町村長が作成した印鑑証明書の添付に代えて上記Aの認証を受けたこと
     <方法2>
      @ 押印が必要な書面に、印鑑証明書により証すべき印鑑で押印します。
      A 押印した本人の運転免許証、住基カード等のコピーを用意します(原本が存在することについて登記官が確認をするため、原本も必要です。)。
      B 押印した本人が以下の内容を記載した上申書を作成し、上記@の書面に押印したのと同じ印鑑で押印します。
        震災により市区町村長に印鑑登録をできず、又は市区町村長からその作成にかかる印鑑証明書の交付を受けることができないこと
        市区町村長が作成した印鑑証明書の添付に代えて上記Aの書面を添付すること
      C 上記AとBの書面を合綴し、その綴り目に上記@の書面に押印したのと同じ印鑑で契印して、登記申請書に添付します。 

 

 

    (2) 東日本大震災に伴う商業・法人登記事務に係る過料事件の通知の取扱いについて(依命通知)
(平成23年6月2日付法務省民商第1268号)
       震災により、登記申請をすべき期間内に申請できなかった場合についての取扱いです。
 商業・法人登記においては、法に定める期限内に登記を申請しない場合は、過料が課されることになっています。しかし、3月26日の記事に書いたように、今回の災害が「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」第2条の特定非常災害に指定されたことにより、申請期限末日が平成23年3月11日から6月29日までに到来する商業・法人登記の申請については、6月30日までの間に当該登記の申請がされ、かつ、次のいずれかに該当する場合に過料の通知を要しないこととされました。
      @ 登記申請書又はその添付書面に震災により申請期間を経過して申請した旨の記載(この旨を推定することができる記載でも可。)があること
      A 今回の震災で災害救助法が適用された市町村の区域(東京都の区域を除きます。)内に、代表者の住所又は本店・主たる事務所がある会社・法人がした申請であること
※代表者の住所移転や会社の本店移転、法人の主たる事務所の移転の登記においては、移転前の代表者の住所・本店・主たる事務所が当該区域内にある場合も含まれます。
         なお、上記以外に、申請書又はその添付書面の記載から東日本大震災により申請期間を経過して申請されたものと認められる商業・法人登記の申請(平成23年7月1日以降に申請されたものを含みます。)についても、過料の通知を要しないこととされました。



    (3) 東日本大震災の被災者等に係る登記事項証明書等の交付についての手数料の特例に関する政令及び省令
       登記事項証明書等の交付請求(オンライン交付請求を除く。)に関する手数料を免除する特例が設けられています。ここでは、建物及びその敷地に関するものに絞って取り上げます。
      @ 登記手数料が免除される方
        震災によりその所有する建物又は賃借権を有する建物に被害を受けた方又はその相続人
      A 登記手数料の免除の対象となる不動産
        震災により被害を受けた建物(被災建物)
        被災建物の敷地
        被災建物に代わるものとして新築又は取得した建物(被災代替建物)
※被災建物の敷地に新築する場合のほか、他の土地に新築又は取得した場合を含みます。
        被災代替建物の敷地
      B 登記手数料の免除の対象となる証明書等(オンライン交付請求の場合を除く。)
        登記事項証明書
        地図、建物所在図、地図に準ずる図面の全部又は一部の写し
        土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面、各階平面図の全部又は一部の写し
      C 登記手数料の免除を受けるために提示が必要な書面
        り災証明書や被災証明書など
(申請者の所有又は賃借する建物が震災により被害を受けたことについての市町村長の証明書)
        相続人が請求する場合には、戸籍謄本など
      D 登記手数料の免除を受けることができる期間
          平成33年3月31日まで。
※被災代替建物とその敷地については、被災者等が被災代替建物の登記名義人となった日から1年間に限ります。

 

 

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